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あいちトリエンナーレ2016 私的ガイド 

私的にあいちトリエンナーレのご案内をします。情報の詳細は公的なものでお確かめください。

2016年9月29日 中日新聞 社説

誰のためのトリエンナーレなのか?何が私たちにできるのか?少しまじめに考えるべきことです。多額の税金で開催されていることは忘れてはいけません。

トリエンナーレ 創造の旅に加わろう

 現代アートの祭典、あいちトリエンナーレが、名古屋など愛知県の三都市で開かれている。三回目を迎え、その最大の魅力としている“街なかミュージアム”が広範に根づくか。正念場にもなる。

 テーマは「虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅」。

 今回の芸術監督を務める港千尋さん(多摩美術大教授)が打ち出した。「サライ」は旅の疲れを癒やす「家」を意味するという。

 世界を旅し、写真家で著述家、大学では映像人類学を教える港さんらしい着想だ。

 トリエンナーレはイタリア語で三年ごとの意味。三年に一度の芸術展覧会をいい、二年に一度なら「ビエンナーレ」。最も古い国際芸術祭は、一八九五年に始まったベネチア・ビエンナーレだ。国同士が数々の芸術部門で競う芸術の「五輪」としても知られる。

 「あいち」の始まりは二〇一〇年。三回目の今回は、名古屋(主会場)・岡崎両市に新たに豊橋を加え、三都市に会場を広げた。

 現代美術、舞台芸術などに過去最多の三十八の国・地域から百十九組のアーティストが参加。その内訳は海外組が上回る。

 分かりにくいともされる現代アートに親しむだけでなく、テーマが暗示する通り、異文化発見、交流の場となる期待も大きい。

 中でも、リオ五輪パラリンピックの舞台だったブラジルとの関わりに注目したい。

 愛知県で暮らすブラジル人は約四万八千人。全国の都道府県で最も多い。そのつながりを意識し、祭典の総合学芸員的な役割(キュレーター)の一人にブラジル人女性を初めて抜てき。前回はゼロだったブラジル人作家も四人が出品し、地球の反対側から発せられた熱気との共鳴を試みたのだ。

 都市型では横浜トリエンナーレ(〇一年から)が先輩格だが、今秋から、さいたまトリエンナーレ(テーマ「未来の発見!」、十二月十一日まで)、茨城県北芸術祭(「海か、山か、芸術か?」、十一月二十日まで)なども開かれ、芸術祭は地域振興型も含めてそれぞれの真価が問われる。

 国内最大級の規模と目される、「あいち」の最大の個性は、街中を、丸ごと美術館や博物館に見立てた市民参加型の取り組みだ。

 それを一過性に終わらせぬためには十月二十三日までの会期中、市民側の盛り上がりも試される。「創造」のキャラヴァン(隊商)の乗組員は、街なかでアートを楽しむ人々でもあるのだから。

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