<美術> 「機械騎兵隊のワルツ」2012 9月14日 中日新聞
記事の紹介になりますが、この映像作品、モバイルトリエンナーレの会場、東岡崎駅の岡ビル2階でも見ることができるので、無料でみることができます。
「考えてみるよりも感じてみてみればよい」作品です。
<美術> 「機械騎兵隊のワルツ」2012
2016/9/14 朝刊
◇「機械騎兵隊のワルツ」2012(愛知芸術文化センターなど三カ所=10月23日まで、休館日は会場によって異なる)
名古屋地区と岡崎地区に加え、今回は豊橋地区でも開かれている「あいちトリエンナーレ2016」。三地区のすべてで、ウダム・チャン・グエン(一九七一年ベトナム生まれ)による映像作品が上映されている。
題して「機械騎兵隊のワルツ」。奇妙な光景だ。色とりどりのポンチョにヘルメットとマスクを着け、表情も正体も定かでない人々がオートバイに乗り、隊列を組んで街を行く。ポンチョは前後左右が結わえられ、全体が一つの生命体のよう。
ガイドブックは作家について「都市化や産業化が引き起こす深刻な社会問題をユーモアを交えつつ作品化する」と伝えるが、制作の意図は明示されず、登場人物も一言も発しない。
謎めいた無言の集団は、ロシア風の時代がかったワルツ(ショスタコーヴィチ作曲)をBGMに粛々とパレードを繰り広げ、予期しない結末を迎える。その間、四分半あまり。小品だが「自分が見たものはいったい何か」と考えさせ続ける不思議な魅力に満ちている。
(品)